2011年1月19日水曜日

冬休みキャンプ(前編)

はじめに

うちのサッカースクールでは、冬休み期間中に「冬休みキャンプ」を行いました。
少し時間が経ったところで、このキャンプを振り返ってまとめてみたいと思います。

書いていたら長くなってしまったので、前編と後編に分けてアップします。

目次:
――前編――
  • キャンプの概要
  • キャンプの練習について
    • テーマ
    • テーマから練習メニューへ
――後編――
      • トレーニング実践
      • コーチング
    • まとめ

    キャンプの概要

    「キャンプ」とは言っても、泊まったりするわけではなく、毎日通い練習があります。
    日程は、12/25~31、そして1/1の元日だけはお休みで、1/2~5とまた練習。
    時間は全て、9:00~11:00でした。

    そんなハードスケジュールで皆勤賞だったのは、ただ一人。
    幼稚園児のヒデくんでした。素晴らしい!
    単に練習をたくさんしたという以上に、皆勤というのはいろいろな事情でなかなかできないことなので、よい経験になったと思います。

    キャンプの練習について

    テーマ

    低学年(1、2年生)クラスは、「サッカーのゲームを楽しむ」ということをキャンプ全体のテーマとしました。

    このテーマ設定の理由は、「ドリブル」や「パス&コントロール」といった技術的なことを取り上げてテーマとしたときに、その技術ばかりに気を取られて、サッカーのゲームの目的である「相手よりも多く点を取って勝つ」ということが疎かになってしまうということが見られたことです。
    より具体的に言えば、「パス&コントロール」をテーマにして練習した後の試合で、味方を探してボールを渡すことばかり考えて、相手の守備を突破し、ゴールに迫っていくという動きが少なくなってしまうことがあったためです。

    サッカーのゲームにおいて、パスはあくまでもひとつの手段であり、ゲームの目的とは、妨害してくる相手がいれば様々な手段でそれをはずし、シュートを決めることです。
    練習をしたせいで、試合で一番大切なことを忘れてしまうようでは本末転倒(to put the cart before the cart)です。
    逆に、一番大切なことさえわかっていれば、そこから様々な工夫も生まれてくるでしょう。

    つまり、今回のテーマである「サッカーのゲームを楽しむ」とは、サッカーがどんなゲームであるかの理解に基づいた上で、それを楽しむという事なのです。

    テーマから練習メニューへ

    では、サッカーとはどんなゲームなのでしょうか?
    回答の仕方は様々にあると思いますが、自分としては、次のように理解しています。

    「サッカーとは、ゴールの数を相手と競い合い、そのためにボールを巡って相手と競い合うゲームである。」

    この中でポイントとなるのは、「相手」、「ゴール」、「ボール」です。

    第一に、サッカーには「相手」がいるということ。
    サッカーとは自分ひとりで課題解決をするのではなく、相手と競い合うゲームです。

    そして、その相手との競争は、「ゴール」の数をめぐるものです。
    自分たちはより多くのゴールを決め、相手のゴールをより少なくする。
    勝敗を決するのはこの「ゴール」であり、その他の全てはそれに付随するものなのです。

    また、サッカーは「ボール」を巡る競い合いでもあります。
    たった一つのボールを相手のゴールに入れるのがサッカーというゲームであり、ゴールを巡る競争は同時にボールを巡る競争でもあるのです。

    要は、相手がいて、ボールがあって、ゴールを奪い合う、これがサッカーの本質であるという理解に基づいて、トレーニングを組み立てることにしたわけです。

    このような考えから、練習のポイントにしたのは次の2つ。
    1. ゴール前の攻防
    2. ボールを巡る攻防

    もちろん、試合にはサッカーのすべての要素が含まれうるのですが、可能性が多様である分、その中で大事なことを意識的にトレーニングすることは難しくなります。
    勘のいい選手ならばそれでもいいでしょうが、そういう選手ばかりではありません。
    なので、特定の場面・現象が多く現れるように、テーマを設定して、練習メニューを作っていきました。