2012年12月21日金曜日

ホームゲーム

東南アジアのサッカー国対抗カップ戦、Suzuki Cup決勝にシンガポールが進出し、タイとのホーム&アウェイ第一戦がシンガポールで行われるということで、見に行ってきました。
Dec 19, 2012 @ Jalan Besar Stadium, Singapore

会場に着いてみると、サポーターと装飾で真っ赤に染まったスタンドから、大音量の声援が。
iPhoneでパノラマ撮影


アウェイのタイサポーターは、角っこに押し込められています。
ちなみに、赤がシンガポールで青がタイ。
写真中央の席がタイサポーターエリア

両チームについて、事前情報は基本的にないまま観戦。
ただ、国内リーグの評判からすると、タイの方が強いのかな、とイメージ。

しかし、始まってみるとホームの大声援に後押しされたシンガポールが押し込む展開。
1-4-1-4-1の前の4の左サイドに入ったガタイのいい選手のポストプレーと、1トップの選手の飛び出しを生かして速い攻撃を仕掛け、ボールを奪われると前から激しいプレス。
タイがテクニックを発揮するような余裕を与えません。
シンガポールはショートコーナーを多用

それでもこの時間帯を耐えて試合が落ち着いてきたら、タイの反撃が始まるんじゃないか、なんて思って見ていたら、10分をすぎた頃か、押せ押せのシンガポールにPKが与えられます。

このPK、決まったかに見えたところで、キックよりも早くシンガポールの選手が(主審の目の前で)ペナルティエリア内に入ったために、やり直しの判定。
蹴った瞬間にエリアに入っちゃってます
しかし、2回目もきっちり決めて、ホームのシンガポールが先制。


その後、30分過ぎになってようやくタイの攻撃も見られるようになるものの、最終ラインとその前のバイタルエリアを突破することがなかなかできません。
もともと堅守速攻のための1-4-1-4-1システムを取るシンガポールがリードしてしまっているため、無理に前に出ることなく守りを固めています。

結局、前半はそのまま1-0で終了。

後半に入っても、基本的な構図は変わらず。
イケイケムードを出しながら、実はしっかり守備に人数をかけるシンガポール。
攻める時も、シンプルに前線の選手を使い、そこから攻め切ってしまうために大崩れはしません。
Thai Corner

が、そのシンガポールが攻めきれなかった場面でタイにチャンスが訪れます。
タイが自陣右サイドでボールを奪った後、ドリブルで持ち上がっていくと、シンガポールの最終ラインはそのスピードに対応できません。
そのまま右サイドを深くえぐってシンガポールの守備陣を引きつけ、中央でフリーになった味方へショートパス。
これを難なく決めて、タイが同点とします。

これで面白い展開になるかと思った矢先。
体格のいいヨーロッパ系の選手の身体能力を生かしながらの徹底した攻めで、シンガポールがすぐに得点をして突き放します。

この後タイにもドリブル突破を交えた攻めでいくつかチャンスが訪れます。
後半ロスタイムに入ろうかというところでもタイは攻める気を見せますが、最後はそれをシンガポールが打ち砕きます。
4分間のロスタイムに入ってから、コーナーキックのチャンスからシンガポールが3点目を決めます。

試合はこれで決着。
残りのロスタイムはそのまま過ぎ、シンガポールが3-1で勝利となりました。

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この試合を見ての感想が、この記事のタイトル。
「ホームゲーム」だったな、ということ。

シンガポールはホームの大声援を受けて、この試合をチームとして闘い抜きました。
チームとしてのやり方の徹底。
攻守の切り替えの場面で見られる個人の集中力と、気持ちの入ったプレー。
必ずしも「きれいな」つなぐプレーばかりではないけれども、勝つためのプレーをし続け、それに歓声を送り続けるスタンドのサポーター達。

「ホームゲーム」の力で3-1の勝利を飾ったシンガポール。
しかし、この決勝はホーム&アウェイの闘い。
「アウェイゲーム」になった時にどれだけの力をシンガポールが発揮するのか。
また、「ホームゲーム」になるタイが、逆にどこまで盛り返すのか。

我が国のJリーグは「ホーム」と「アウェイ」の差が小さい、などと言われますが、この「ホームゲーム」の力を目の当たりにして、「ホーム」と「アウェイ」の差がどのように出るのか、第2戦に俄然興味がわいてきました。

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